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高森明勅
2015.4.26 18:41

昭和天皇の最も悲しかったこと、嬉しかったこと

昭和50年10月、昭和天皇は日本記者クラブの代表らの
質問にお答えになった。

その中で「(ご在位中)最もつらく、悲しかった思い出」について、
お尋ねしている。

これに対し、昭和天皇は次のようにお答えになった。

「それはいうまでもなく、第2次大戦であると思います。
私はこういう悲しむべきことが、今後も起こらないことを
祈っております」と。

また「いちばんうれしくお思いになったこと」についても、
質問があった。

お答えはこうだった。

「終戦後、日本国民が努力して、
りっぱに日本の復興ができたということが
いちばんうれしく感じてます」と。

この2つのお答えに、昭和という時代が凝縮されていると言って、
敢えて過言ではないだろう。

「よろこびも かなしみも民と 共にして 年はすぎゆき いまはななそぢ」
(「70歳になりて」昭和45年の御製)


「やすらけき 世を祈りしも いまだならず くやしくもあるか
きざしみゆれど」
(「全国戦没者追悼式 8月15日」同63年の御製)

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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